格安SIMを利用する場合でも、スマートフォンのバックアップは必要です。ただし、バックアップが必要なのは格安SIMそのものではなく、スマートフォン本体に保存した写真・連絡先・アプリのデータなどです。格安SIMへ乗り換えるだけでデータが消えるとは限りませんが、故障や紛失、初期化に備えて事前に保存しておくと安心です。
格安SIMの利用でバックアップが必要な理由
格安SIMのSIMカードやeSIMには、通信回線を利用するための情報が入っています。写真、動画、アプリ、各種設定などをSIMに保存しているわけではありません。そのため、SIMカードを交換しても通常はスマートフォン本体のデータは消えません。
一方で、乗り換えの前後には次のようなトラブルが起こる可能性があります。
- SIMカードの交換作業中に端末を紛失・破損する
- eSIMの設定や端末の初期化で、保存場所によってはデータを失う
- 機種変更と格安SIMへの乗り換えを同時に行い、移行に失敗する
- 通信できない期間に、認証コードや連絡先を確認できなくなる
バックアップがあれば、端末を交換したり初期化したりする場合でも、保存したデータを復元できる可能性があります。
バックアップしておきたいデータ
格安SIMへ乗り換える前は、特に次のデータを確認してバックアップしてください。
| データ | 確認すること |
|---|---|
| 写真・動画 | クラウドやパソコンなどに保存されているか |
| 連絡先 | Googleアカウント、Appleアカウント、端末本体、SIMカードのどこに保存されているか |
| メール | メールアカウントのIDやパスワードを確認できるか |
| メッセージアプリ | アプリ内のバックアップや引き継ぎ設定が済んでいるか |
| 決済・認証アプリ | 再ログインや機種変更の手順を確認したか |
| メモ・カレンダー | アカウントと同期されているか、端末内だけに保存されていないか |
特に、連絡先や写真が端末本体だけに保存されている場合は注意が必要です。端末本体のデータは、SIMカードを交換しても自動的に別の端末へ移るとは限りません。
格安SIMへ乗り換える前に行うバックアップの手順
バックアップは、SIMカードを抜いたりeSIMを削除したりする前に行います。端末やアプリによって画面表示は異なりますが、基本的な流れは次のとおりです。
- 端末の空き容量と保存先を確認する
写真、連絡先、メモなどが端末本体だけに保存されていないか確認します。 - 端末のバックアップ機能を実行する
iPhoneは端末のバックアップ機能、AndroidはGoogleアカウントなどのバックアップ機能を使います。バックアップの完了日時も確認してください。 - 写真や動画の同期状態を確認する
クラウドサービスを使っている場合は、最新の写真や動画までアップロードされているか確認します。 - メッセージアプリの引き継ぎ設定を行う
アプリごとにバックアップ、電話番号の登録、引き継ぎ許可などの設定を確認します。 - ログイン情報と認証方法を確認する
パスワード、メールアドレス、バックアップコードなどを確認します。SMS認証だけに頼っているサービスがある場合は、別の認証方法も確認してください。 - 別の端末やパソコンから復元できるか確認する
バックアップは作成しただけでなく、保存先にデータがあることまで確認すると安心です。
バックアップが完了した後に、格安SIMのSIMカードを交換したり、案内に従ってeSIMを設定したりします。端末を初期化する場合は、必要なデータを確認できるまで初期化しないでください。
SIMカードに保存されている連絡先は移行が必要
連絡先をSIMカードに保存している場合は、SIMカードの交換前に端末本体やアカウントへ移しておく必要があります。SIMカードを交換すると、以前のSIMカードに保存された連絡先を新しいSIMカードからそのまま読めなくなることがあるためです。
連絡先アプリの設定で、保存先や同期先を確認してください。連絡先がGoogleアカウントやAppleアカウントと同期されていれば、新しい端末で同じアカウントにログインして復元できる場合があります。
電話番号を変える場合は認証サービスに注意
格安SIMへの乗り換えで電話番号が変わる場合は、データのバックアップとは別に、電話番号の登録変更が必要です。銀行、決済サービス、SNS、メールなどでSMS認証を使っていると、古い番号が使えなくなった後にログインできなくなる可能性があります。
電話番号を変更する前に、各サービスの設定画面で次の項目を確認してください。
- 登録電話番号を変更できるか
- メールアドレスや認証アプリを追加できるか
- バックアップコードを発行できるか
- 古い電話番号でのSMS認証が必要か
電話番号を引き継ぐMNPを利用する場合でも、サービスによっては登録情報の変更や再認証が必要になることがあります。
APN設定やSIM設定はバックアップとは別の作業
格安SIMでは、SIMカードを入れた後にAPN設定が必要になることがあります。APN設定とは、端末を格安SIMのインターネット通信へ接続するための設定です。これはデータのバックアップとは別の作業なので、バックアップをしていても自動的に通信できるとは限りません。
乗り換え前に、利用する格安SIMの案内で次の内容を確認しておくと、設定時に迷いにくくなります。
- 利用する端末が対応しているか
- SIMカードとeSIMのどちらに対応しているか
- APN設定が必要か
- iPhoneやAndroidなど、端末ごとの設定方法
- 開通手続きや再起動が必要か
ただし、具体的な対応端末や設定方法は格安SIMのサービスと端末によって異なります。申し込み先の案内に従って確認してください。
バックアップが特に必要なケース
次のいずれかに当てはまる場合は、格安SIMへの乗り換え前にバックアップを省略しないでください。
- 格安SIMへの乗り換えと機種変更を同時に行う
- 端末を初期化する予定がある
- 写真や連絡先を端末本体に保存している
- メッセージアプリや認証アプリを利用している
- eSIMを削除・再発行する可能性がある
- 仕事や金融サービスでスマートフォンを使っている
反対に、端末をそのまま使い、データがアカウントやクラウドに保存されている場合は、SIM交換だけでデータが消える可能性は一般に高くありません。それでも、故障や紛失は乗り換えとは無関係に起こり得るため、定期的なバックアップは必要です。
格安SIMのバックアップで確認するポイント
格安SIMを利用する前に、まず写真・連絡先・メッセージアプリのバックアップ状況を確認してください。次に、電話番号を変える場合はSMS認証を使うサービスの登録情報を変更し、最後にAPNやeSIMなどの通信設定を行います。
格安SIMだから特別なバックアップが必要なのではなく、SIM交換や端末変更に備えてスマートフォンのデータを保存しておくことが重要です。バックアップが完了したことを確認してから、SIMカードの交換やeSIMの削除・設定を進めましょう。







